「……っ、だっ、め、なのに…っ」



泣いちゃ駄目だ。そう思ってはいても、私の目からは大粒の涙がぼたぼたと流れ出ていた。ライアーゲームで何も出来ない自分が憎くて悔しくて、どうしても泣き止む事が出来なかった。…本当に、泣いてたら駄目なのに。ただ、あの人を困らせてしまうだけなのに。



「秋山…さんっ、」

「…呼んだか?」

「っ!?」



後ろから聞こえてきた、今はもう聞きなれた低い声に、私は目を見開いた。その声は、間違えるはずも無い、あの人の声だった。



「ぁ…きやま、さん…、」

「…どうした?」

「私…、いつも秋山さんに助けてもらって…ばっかり、で…」

「そんなことで泣いてるのか。」

「そんなこと…って、」



秋山さんの呆れた声が聞こえる。(私はこんなに悩んでいるのに…、)



「君は、足手まといなんかじゃないよ。」

「…はい、?」

「そのこと、悩んでたんだろ?自分は足手まといなんだって。」

「……、」

「君は足手まといじゃない。…寧ろ、居ないと困るんだよ。」

「へっ?」



秋山さんの口から出てきたその言葉に驚いて、思わず間抜けな声を出してしまう。私は何もしていないのに。助けてもらってばっかりなのに。…足を、引っ張っているのに。それなのに秋山さんは、居ないと困る、なんて。



「嘘、ですよそんなの…。私、何もしてなくて、」

「何もしなくていい。」

「はい…?」

「君が、俺の傍に居るだけで良いんだ。君が近くに居るだけで俺は安心するからな。」



どきり、とした。秋山さんがそんなことを言うなんて。



「俺は…これからもずっと、君の傍に居たいと思ってる。」

「えっ、あのっ…それって!」

「くくっ、答え、考えときな。いつか聞くから。」



秋山さんはそう言って、どこかへ行ってしまった。(えっ、今のってやっぱりぷっ、プロポっ…プロポーズですか…っ!?)
私はただ、パタン、と静かに閉められた扉をぽかんと見つめる事しか出来なかった。










私は足手まといなんだ、そんな自覚はあった。

                              だけど…私もずっと一緒に居たいと、貴方に伝えても良いですか…?