「秋山さん!」



彼女の笑顔をもっと見たいと思ったのは、いつからだろう。知らない間に、あいつは俺の傍に居て。知らない間に、俺はあいつを助けていて。知らない間に、俺はあいつに助けられて。知らない間に、あいつは俺にとって一番大切な存在に変わっていた。



「今日は、フクナガさんにネイルアートしてもらったんですよ。」

「…フクナガに?」



そして、今。自分でも信じられないけど、俺は彼女に恋愛感情を抱いているらしい。(今だって、こんなにも妬いてしまった。)



「はい、ほら!すごい綺麗ですよね。」

「…そうだな。」



きっと、もう少ししたら「秋山さん?機嫌悪いですか?」なんて心配そうに聞いてくるんだろう。そう思いながら、ため息をつく。



「…これ、一番最初に秋山さんに見せたかったんです。」

「……は?」



予想していた事と違う言葉が出て、俺は思わず変な声を出した。



「だって、こんな綺麗なネイルアート初めてだから…大切な人に最初に見せたかったんです。」



彼女は、そう微笑んでから、ちら、と腕時計を見た。「わ、もう病院に戻らなくちゃ!それじゃあ、また。」なんて言って走って行ってしまった。……俺は、高鳴る鼓動を抑えながら、走っていく彼女を見つめることしかできなかった。







君のそんな、優しくて素直なところが、
                              すごく愛しいけれど、それと同じくらい憎いんだ。