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「・・・・あっ、」 「っ!」 彼女が小さくあ、と声を洩らす。少し気になって彼女の方を見ると、彼女はふらり、とよろけていた。床に身体がぶつかるすれすれで、俺は彼女の身体を抱きしめ、彼女は何とか地面に倒れずにすんだ。 「す、いません・・・、秋山さん、」 「いや…、どうした?」 「はい?」 「…持病なんて無かっただろ。」 「あぁ…、何だか最近調子が良くなくて…。」 きっと疲れちゃったんですね、私体力ないですから、なんて苦笑いしながら言う彼女は本当に弱っているように見えた。意識して見ると、少しやつれたようにも見える。正直者の彼女にとって、ライアーゲームはストレスが溜まるんだろう。(一般的な人でも溜まるんだから、相当精神的に弱ってるだろうな…。) 「…ゆっくり休めよ。疲れてんだろ?」 「はい…でも、なかなか寝付けなくて…。ほら、怖いじゃないですか…寝てる間にもゲームは続いてるんだ、って…。」 「―――、」 「ごっ、ごめんなさい、変な事喋って…、私、もう行きますね。」 部屋から出て行こうとする彼女の腕を引っ張り、俺のベッドへ寝かせる。彼女は俺に気を遣って、弱音を吐かないように頑張っていたんだろう。…でも、キツイならキツイと、はっきり言ってくれた方が良かった。 「…ここで寝ろよ。何かあったら起こしてやるから。」 「え、でも……、」 「一人の部屋で寝るより、此処で寝た方がまだ安心だろ?」 「はい、でも…良いんですか?あの、迷惑じゃ…ない、ですか?」 「…いや、それより倒れられた方が迷惑だよ。」 「ふふっ、そうですよね。…それじゃあ、ありがとうございます、秋山さん。」 「いや、別に…。……おやすみ。」 「はい、おやすみなさい。」 よっぽど疲れていたんだろう、彼女はすぐに眠りについた。それを確認してから、俺は彼女を起こさないようにゆっくり部屋を出る。 「…くそ、」 どうして俺は、彼女の不安を拭い去ることが出来ないんだろう。…彼女は俺を暗闇から助けてくれた。それなのに俺は…何も、出来ていない…。そんな自分が悔しくて、認めたくなかった。 あと少し、 もう少し、 俺に力があれば。 彼女を守れるほどの、力があれば。 |