「ど、どうしましょう秋山さん…!」

「相手にしない事だな。」


お礼に食事をご馳走する、とか言ってあいつの部屋に行ったが(俺の意思ではない)、それどころじゃなくなった。ライアーゲームってのは、どうやら二回戦もあるらしい。一体どこまで続くんだ、このゲーム?











君が傍にいるだけで、













「で、でも…、」


相手にするな、と一言言っただけじゃ、やっぱり不安らしい。不安そうな目でこちらをじっ、と見ていた。ったく、なんで俺が安心させなきゃなんねーんだよ。俺は小さくため息をつき、メモ帳にすらすらと数字を書いていった。


「何かあったら、話ぐらい聞いてやるよ。」


そう、端的に言って、紙切れを渡す。らしくない、本当。どうしてこんなに心配してんだよ、俺。
あいつの家を出て行くとき、後ろで「秋山さん、」と俺を呼び止める声がしたが、俺は無視して家を出て行った。早くこの家から出て行きたかった。このままここに居ると、なんか俺が変になりそうだ。(というか、俺はこいつが好きなのか?)(いや、違う。…多分。)










数日後。携帯を見ると、【着信あり】の表示があった。あいつからだ。きっと明日の二回戦の事だろう。本当にあいつは心配性だと思う。ため息を吐き出しそうになりながら、通話ボタンを押した。


『秋山さん!』


予想は外れて、あいつの明るい声が聞こえてきた。心配してるんじゃなかったのか?


「さっき電話してきたみたいだけど。」

『ちょっと明日の事が不安になって。でも、もう大丈夫です!』


もう大丈夫、という一言がやけに気になった。どうして急に?明日の事が不安になって電話かけて。で、その後俺が電話かけたら大丈夫だって?(本当、訳わかんねぇ)
まぁ、もうライアーゲームとは関わるな、と釘を刺したから大丈夫だろう。そんな、軽い気持ちで電話を切った。



まさか、あんなことになるとは思いもしなかったから。




次の日。何となく嫌な予感がした俺は、あいつの家に行った。携帯はもちろん繋がらず、扉をドンドン、と叩いても何も応答が無かった。家には居ないのか…。ただ、出かけてるだけか?それとも…―――。
嫌な予感が、俺の頭をよぎった。


「…あいつ……、」



気付けば俺は、二回戦会場まで走っていた。こんなに必死になるのは、きっと、あいつが好きなんじゃなくて、ただ…あいつのことが、心配だからだ。そう自分に言い聞かせながら、ただひたすらに走った。あぁ、本当に俺らしくない。なんであいつの為にこんなに走ってんだよ、俺。












「っ、秋山さん…っ」


二回戦会場で、驚いた顔をしながら俺の名前を呼ぶあいつを見て、少し安心した。ってか何で此処来てんだよ…あいつも、俺も。





(どうしてだか、あいつが隣にいると、なんか落ち着く、なんて馬鹿な事を考えた。)