「ーっ、早く早くっ!!」
「ちょっ、待ってよ…!」
……来てしまった。
ここは、【 ナイトメア 】っていうバンド…?の、会場らしい。
友達が好きなV系アーティストが【 ナイトメア 】で、チケット二枚あるから一緒に行こうって誘われて。
私はV系とか興味無いし、断った。
でも、1時間以上お願いされ、しまいには土下座までされたら、流石に行くしかないだろう、うん。
「ふぇーー…、こ、これがライヴかー。ってか、みんなの格好すごい…。」
「あ、あのメイク…。柩に似てるー!」
「あー…噂の柩さんはあんなメイクなんだー…。」
「うん、可愛いんだよ柩!もう最っ高っっ!」
まぁ、好きなアーティストに会えるんだから、テンション高くなるのはわかる。
や、わかるんだけどね?
わかるんだけど、なんていうか、ね…。
隣にいる友達が、いつもとは別人のようなテンションで、…かなり怖い。
そんなにすごいかっこいい人なのかな、ナイトメアって。
「…それにしても、すごいメイクしてる人がすごい大量に居るんだけど…。」
「そりゃー…ライヴだからよ。」
…ライヴって、恐ろしい。
こんなV系人間達の塊(失礼)の中でどうやって生活しろって!?(や、生活はしないから。)
「ちょ…ごめん、私やっぱり」
「帰るなんて言わないでね?」
「う…、どうしても?」
「だって帰りに一人になるの寂しいもん!」
「あ、じゃあそこのベンチで待ってるよ。」
「えー…もったいないよ、見ないと。」
「だって私、興味ないもん。…あ、もう始まっちゃうよ?早く行きなって。」
友達輪尾ステージの前まで連れて行き、私はステージのある部屋(?)から出た。
近くにベンチを見つけて、そこに腰を下ろす。
「ハァーー…ヒマ、だなぁ。」
一人、は思いのほか暇だった。
「(そういえば、【 ナイトメア 】ってどんな人だろう…)」
「(あ、さっきポスターあったか。)」
「(…でも顔見てないや…。)」
「(まぁいっか。覚えて無くても、別に困らないし。)」
「(…あ!この後、ケーキ屋行こうかな?確か、ここに来る途中にあったし…。)」
なんて、どうでもいいような事を考えていると、急に睡魔が襲ってきた。
「…そういえば、今日あんまり寝てなかったな…。」
眠い。
けど、こんな人目につくような所でなんて恥ずかしくて寝られるわけがない。
…―――その結果、
「ぃ…痛い痛い…っ!!」
自分で自分の手の甲をつねり、ただひたすら眠気に耐えた。(や、自傷行為じゃないけどね。)
しばらくして、本気でつねっていた手の甲は赤くなり、痛みにも耐えている私は涙目になった。
「うぅー…、」
そんな、馬鹿みたいな事をしてる私を、一人の青年が笑いながら見ていた。
「なっ、だ…誰っスか…!?」
「あ、俺は黄泉…って、知らないの?俺のこと。」
「え…知るわけないじゃないですか…、初対面ですよ…ね?」
「そうじゃなくて……ま、いっか。どうしたの?」
「あ…眠いんです…。ここで寝るのも恥ずかしいし…。」
「それなら、ちょっとついてきて。」
「へ?あ、ハイ…。」
私は、よくわからないまま黄泉って人についていった。
辿り着いたのは、(良く知らないけど。)楽屋みたいな所だった。
「…ここ……?」
「ん、ここ使っていいよ。眠いんでしょ?」
「…うん…、いいんですか?」
「うん、じゃあ俺は用事あるから。あ、ここは滅多に人来ないから安心して。」
「……あ、ありがとう…ございます…。」
お礼を言うと、黄泉はニッと笑った。
黄泉が楽屋(なのかな、ここ。)を出て行って、それからしばらくしてからだったと思う。
また、猛烈な眠気が襲ってきた。
「…まぁ、ここならいい、よね…?」
一人で確認するように呟き、私は静かに目を閉じた。
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次回こそは瑠樺さんとの絡みを…!!殴