「・・そんなに会いたいの?」
「うんっ!」
「・・・・・・はぁー、わかったよー。」
「え、いいの!?」
「・・・行きたくないの?」
「行くっ、行く行く、行きますっ!」
幼馴染だった黄泉に頼んで、ナイトメアに会わせてもらう事になった。
私は別にヴィジュアル系が好きな訳でも、ナイトメアが好きな訳でも無かった。
ナイトメアの顔すら見たことが無いのだ。
ただ、何となく、黄泉はどんな人達とバンドを組んでいるのか気になった。
「・・・今日みんなで飲みに行くらしいから・・・一緒に来る?」
「へっ、今日?え、嘘っ、展開早っ・・!」
「行くの、行かないの?」
「うぅーん・・・行くー。」
「よっし、じゃあ行こっか。」
「え、今からもう行くの!?」
「うん。・・・って、早くしてよ。置いてくよ?」
「うあぁちょ、待って・・・!」
玄関で笑いながら言う黄泉に慌てて駆け寄る。
ガチャリ、と扉が開いて、私達はナイトメアが待っているであろう店へと向った。
「遅ぇよゾジー。」
「わ、ご、ごめんって。」
「・・・・あれ?そこの女の子は誰?」
「へ?あ、うん。。」
「あ、は、初めましてっ、です。」
ぺこり、と頭を下げて皆を見る。
そこに居たのは、黄泉を入れて4人。
ナイトメアは5人らしいから、あともう一人居るはずなんだけど。
「初めまして。俺は咲人で、こっちが瑠樺さん。」
「・・・ども。」
「で、俺が新弥。」
「そんで俺が黄泉!」
「うん。それは知ってる。」
「あ、癖が。」
「あはは!」
何故か黄泉まで自己紹介を始める。
私は笑いながら「それくらい知ってるよー」なんて言い返した。
「じゃあ、ちゃんと黄泉は幼馴染なんだ?」
「はいっ、前から黄泉のバンドのメンバーには会いたいなぁと思ってたんです。」
「あはは、こんなメンバーだけどね。」
「いえいえ、皆さん優しい人ばっかりで。」
「・・・・・・。」
「・・・?瑠樺さんどうしたんですか?」
「ちょっ、逃げて!食われる!」
「はっ?くわっ・・食われ・・!?」
調度その時、バタン、とドアが開いた。
ふ、と後ろを見ると、たくさんピアスの開いた青年が立っていた。(うわぁこの人すごいピアス・・・)
「柩遅いー」
「え、あ、ゴメン」
「黄泉より遅いの珍しくない?」
「その発言、俺に酷くない?」
「あはは。・・ちょっと用事あってさ。・・・で、その子誰?」
いきなり指を指されて吃驚しながら、名前を言う。
柩さん・・・?はふぅん、と言った後、「あ、俺も自己紹介してないね。」って笑った。
その笑顔に、少しドキリ、としてしまう。(えぇえ私何言って・・・!)
「えっと・・・名前は柩。・・以上。」
「短っ!何かもっと言ってあげなよ。・・・ってか柩今日照れてる?」
「え、何言ってんの!照れてないよ!!」
「必死に否定してる所がまた怪しいって。」
笑いながら皆と話す柩さんを、無意識に目で追っていた。
・・・いいい、いや、別に好きな訳じゃない・・・ハズ、なんだけど。
そんな事をぼんやり考えていると、柩さんが近づいてきた。
「えぇっと・・・ちゃん?」
「あっ、は、ははははい!」
「そんな緊張しないで。俺まで緊張しちゃうよ。」
笑いながら言う柩さんは、やっぱりどこか輝いて見えた。
「・・・何か、元気無い?」
「え?」
「ホラ、あんま話してないし・・・どうしたの?つまんない?」
「ち、違うんですそうじゃなくって・・・」
「・・・?」
「柩、さんの・・・笑顔が、綺麗だなぁって思って・・・」
「はっ、え・・・俺のっ?」
「はい・・・それで何か・・・・・・って!スイマセン今の無しで!!」
「え、気になるよそれ。」
そんな風に柩さんが言ってきたもんだから、私はつい言ってしまった。
「えと・・・だから!」
「うん。」
「柩さんの笑顔が綺麗だなぁ、って思って見惚れてたんですっ・・・!」
どうしよう、なんて今更考えてももう遅い。
言ってしまった言ってしまった、なんて一人でプチパニックを起こしながら、柩さんの反応を待った。
「・・・ありがとう。」
「え、あ・・・いえっ、すいませんあの、変な事言って。」
「いや、すごい嬉しい。・・・というか、さ、」
「・・・?」
「俺も・・・ちゃん見て、緊張しちゃったんだよね。」
「え?」
「自己紹介の時・・・緊張してあんまり喋れなくて・・ごめんね。」
「え、あの・・・っ、」
「俺、ちゃんみたいな可愛い子の知り合い居なくってさ、」
「いや・・・え、そんな可愛くないですっ・・・」
「そんなこと無いって。・・・って!俺何言ってるんだろう、ごめん、忘れて!」
私を見て緊張しちゃったって事は・・・え?
なんて頭の中で自分の都合の良いような考えに辿り着いた時には、既に柩さんの顔は真っ赤だった。
第一印象
ピアスが少し怖いけど、本当はすごく優しい人。